中古車トラブル事例 - 修復歴車

設問1.

購入直後からハンドルをとられるため、近くの修理工場に入れ見てもらうと、修復歴車であることが分かりました。この車では危なくて乗れないのでキャンセルできないでしょうか。

設問2.

オイル交換をガソリンスタンドでした際、修復歴車であることを指摘されました。販売店にこの旨を伝えると「保証期間が過ぎているので応じられない」と言われました。修復歴車であることを告げずに販売しても、保証期間が過ぎた車はクレームを申し出ることはできないのですか。

設問1について

自動車公正競争規約で定義されている箇所の修復歴を表示せず、隠して取引きしたのであれば、そのような修復歴は取引上重要な意味を持つので、ハンドルが取られるか否かと関係なく、契約の無効、取消しの主張は当然であり、販売店はこれに応じる必要があります。

設問2について

自動車公正競争規約で定義されている部位についての修復歴があるならば、保証期間とは関係なく、設問1の場合と同様の考え方で対処すべきです。

修復歴車の定義(自動車公正競争規約11条,12条・施行規則14条)

交通事故やその他の災害により、次に掲げる車体の骨格にあたる部位を修正及び交換を行った自動車については、販売時に修復歴がある旨及び特定の車両状態を表示した書面によりその部位を表示することになっています。

1)ボンネットタイプ
1.フレーム(サイドメンバー)
2.クロスメンバー
3.フロントインサイドパネル
4.ピラー(フロント、センター及びリア)
5.ダッシュパネル
6.ルーフパネル
7.フロアパネル
8.トランクフロアパネル
9.ラジエターコアサポート(交換)
2)キャブタイプ
ボンネットタイプの1から8に同じ

<基礎知識>

-錯誤無効・詐欺取消-
自動車公正競争規約で表示を義務づけられている程度の修復歴の場合は、たとえ修復され、性能に異常が認められなくとも、当該自動車に対する安全性への信頼が著しく損なわれることになります。
したがって、その修復歴は買主にとって取引きにおける重要な要素と考えられます。
そこでこのような修復歴が表示されていなかったため、それを知らないで契約した買主は民法95条の錯誤無効を、また販売店が修復歴を故意に隠していたときは民法96条の詐欺取消により契約の効力をなくすことができることになります。

-特定物売買における問題-
事故による損傷が目視でき、それを「保証なし」「定期点検整備なしで要整備箇所あり」として販売したときは、原則として販売店の責任はありませんが、事故により隠れた瑕疵があったときは、販売店は民法570条の瑕疵担保責任により、その瑕疵の修理責任を負い、修理不能で安全走行に支障をきたすときは契約を解除されることになります。

-販売店の責任-
修復歴車であっても、販売時にその旨を表示し、買主が承知の上で購入したものであれば問題は生じませんが、そうでない場合には故意に表示しなかったかどうかに関係なく、車両状態の内容により次のような対処が必要となります。

a.事故の後遺症で走行機能に異常があるもの
走行機能に異常があるものは事故の未復元車の扱いとなりますので、販売店の責任で直ちに正常な状態に復旧・修理するべきです。なお、復旧できないときは自動車を回収(解約)する以外にありません。

b.走行機能に異常がないもの
事故痕跡のため商品価値の著しい低下が見込まれるものについては、商品価値の低下を補償するか、買主が車両交換を希望する場合には、一旦契約を解除した後、改めて新しい取引きとして他の自動車を提供するなどの対処が必要と考えます。