納車後の不具合(欠陥、損耗等)に関するトラブルは、契約時のキャンセルトラブルと同様に多い事案となっています。中古車の場合は前使用者が使用した商品であり一定程度の損耗等があることが前提となっていますが、通常の使用により生じる不具合とはいえない場合については、契約内容とは異なる商品を引き渡したと判断され、債務不履行(契約不適合責任。民法改正前では瑕疵担保責任。)となるのが原則です(例外は後記のとおり、当該欠陥・不具合を消費者に説明していた場合など)。この場合、販売店は修理可能な場合は追完請求(無償修理等)、修理が不可能であった場合は代金減額請求、追完請求に応じられない場合等には契約解除に応じなければなりません。販売店は不具合があることを知らなかったとしても、当然に免責されません。このような不具合は保証契約の有無とは切り離して考える必要があり、現状販売、保証なし販売であっても対応する必要があります。 販売店がこれらの不具合から責任を免れるには、納車時に引渡す自動車の性能・品質が契約通りの内容であることを書面に残し消費者に署名をもらうことで、対応することが可能です。不具合があればきちんと書面に記載し、消費者に示しておく必要があります。言い換えれば不具合を示さなかったということは、その車の機能は正常だという裏返しとなりますので、契約時及び納車前の車両の確認は入念に行うことが重要です。整備をせずに販売することは、このようなリスクを販売店が負うということを理解しておく必要があります。