中古車購入ノウハウ
購入店を選ぶ
希望車種を絞り、予算を組んだら、購入する販売店を選びます。
「中古車選びは販売店選び」というほど販売店の選択は重要です。
その理由は中古車の売買が特定物売買(ある特定の物を取引の対象物とする)だからです。
新車は種類売買(一定の種類の物を取引の対象物とする)ですから、その品質についてはカタログや展示車を見れば充分に推測できます。特定の販売店に頼る必要はありません。
一方、中古車は、その使用の過程によって1台1台の品質はまったく異なってしまいますので、品質についての情報は、その販売店にある情報に頼らざるを得ないわけです。
「情報」とは現車そのものであり、販売店の発行する各種の書面であり、そして専門家としての販売店のアドバイスです。
現在の車は4万種類以上のパーツで構成される非常に複雑な機械です。
専門家以外の人が品質についての判断を下すことは難しいでしょう。
ほとんどのユーザーにとって頼りになるのは、自動車公正競争規約に則って、価格表示板や定期点検整備記録簿、特定の車両状態を表示した書面等が正確に記載・交付されることであり、確かな技術に裏打ちされた販売員の誠意ある対応です。
販売店の質が中古車選びの大部分を占めるのも当然といえましょう。
また、インターネット等を利用したオークションでの取引や遠方の販売店での購入は、とても便利ではありますが、一方で現車を確認せずに購入するケースが多く、「写真には写っていない傷があった」、「説明されていない不具合があった」、「修理のためには遠方の販売店へ持ち込まないといけない」、「不具合について無償修理の要求したいが連絡がつかなくなった」などのトラブルが発生するおそれがありますので、これらのリスクを十分に理解しておく必要があります。
以下は販売店選びの具体的なポイントです。
1.展示場をもっている
展示場のある販売店のメリットは、現車を何時でも確認できることにあります。現車は何と言っても最大の情報です。展示場のない販売店で契約して、納車のときまで現車を見ることができない、というケースが最近増えていますが、納車された車がイメージと違ったり、ときには「指定した車とは違う車だった」という例もあります。
展示場を持っているという事はその土地に根を下ろしているともいえ、簡単に撤退はできませんので、信頼の一つの目安になります。
2.展示車・展示場の手入れが行き届いている
中古車の展示場は概ね交通量の多い街道沿いにあるものです。
したがって展示場も展示車も非常に汚れやすく、この手入れ・清掃にはかなりの時間と労力が必要です。
つまり手入れの行き届いた展示場はそれなりのコストをかけていると言う事で、コストをかけていると言う事はそれだけの在庫回転が必要ですので、よく売れていると言うことが推測できます。
売れている店で買うほうが安心できるのは当然のことです。
3.整備工場の併設が望ましい
整備工場があるということは車についての専門知識が豊富だと言う事です。
仕入れの際にはその知識によって不具合車を仕入れる可能性が減ります。
またどこを整備すれば良いかがわかるので販売の際に十分な整備をしてから納車する事が可能です。
当然アフターサービスの面でも色々な意味(コスト・日数・能力等)で有利です。
4.自宅に近い販売店
自宅に近い店は情報も入りやすいですし、定期点検や修理の際に購入店に車を持ち込む必要があるときに近所の方が経済的で安心です。
5.各種団体に入会・加盟している
当会(一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会)以外に、自動車販売に関係する団体はいくつかありますが、これらの自動車関係団体が加盟している一般社団法人 自動車公正取引協議会(略称・公取協)は公正取引委員会の監督下に活動しているもので、前述した「自動車公正競争規約」という自動車の販売に係るルールを定め、運用している団体です。
公取協に加盟している各団体は、傘下の会員に対してこの規約の遵守・実行を指導しています。
この規約は主に販売に際しての表示について定めていて、例えば各種書類の発行やプライスボードの表示方法なども細かく規定しています。
この規約通りの表示がなされれば、その中古車の情報はかなり正確に掴めるのと同時に、表示と現実の車両との間に相違があった場合に証拠となります。
加盟していない販売店にはこの規約は適用されませんが、公正取引委員会が景表法を運用するときに規約の内容を参考とするので間接的に効力は及ぶことになります。
しかし非加盟店の中には規約について充分に理解していない店があり、規約が守られていないケースもあります。
加盟店においては、規約違反行為があった場合は、各団体はそれぞれに消費者相談窓口を設けていますので、相談・助言・指導を依頼する事ができます。