【回答】
販売店は販売価格の30%相当額を当然に請求できるわけではありません。販売店は、たとえユーザー(買主)との協議が成立したとしても、平均的な損害を立証した場合に、その立証できた平均的な損害額の賠償を受けることができ、これを超える金員は解約料、キャンセル料といった名目であってもユーザー(買主)から受領することは、消費者契約法を踏まえると、不相当というべきでしょう。
【解説】
契約成立後のキャンセル
売買契約成立後に買主側(売主側も)が自由にキャンセルすることはできません。ただし、契約書中にキャンセル料を支払って契約解除できると定めてあった場合には、平均的な損害を超えない範囲のキャンセル料を支払うことでキャンセルをすることができることになります。販売店側からすると、キャンセルを申し出るほどですから買主には契約を履行(代金支払)する意思に乏しいと見え、そうであるならキャンセル(合意解除)に応じて販売店に生じた実損害額をキャンセル料として損害賠償を請求することで、販売店側から買主の義務不履行を理由に契約を解除(法定解除)するのも事態解決の一方法となります。
キャンセル料
販売店が通常発生する平均的な損害額を超える額の支払いを定めた場合は、消費者契約法により平均的な損害額を超える部分は無効となりますので、予めキャンセル料を具体的に記載することはトラブルの基になるので記載することは厳に慎むべきですが、ユーザーはキャンセル料を請求されないということではありません。
自動車売買ではキャンセル料の額を予め定めることは非常に困難なので、たとえ販売店が買主のキャンセルの申し出を受け入れることにした場合でも、キャンセル料自体について改めて協議で定めるしかありません。
よって、販売店が根拠となる損害額について合理的に算出することが求められます。